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執筆者の写真淺田富彦

ワイン騎士団世界大会報告3日目 ドウロ地区

更新日:2023年7月26日

5月29日(月)曇り・雨

9:30 バスでドウロ地区ツアーへスタート

ドウロ川上流ワイン生産地は世界遺産。スペインから流れるドウロ川は全長約900キロメートル。アルト・ドウロと呼ばれるドウロ川上流エリアはブドウの段々畑とポートワインの生産方法ともに世界遺産として登録されている。


バスから見えるブドウ畑のすごいこと、見事な段々畑が続く。思ったより建物が多く繁栄しているように見える。バスは高速でアルトドウロを走りながらポルトから100キロメートル先のレグラに着く。


11:00 ポルトドウロのワインプロデュサー Quinta de Pachecaに到着。

ホテル15室を併設する大きなワイナリー、10個の樽を形どった大きなコテージ10室も畑の上にあり、ここでも宿泊できる。スパ、プールも完備。



ラガールを見学、12~15人が足踏みでブドウを潰す浅い槽。1903年から使っているとのこと。

おおきな樽が並ぶ倉庫で試飲とアペリティフ。

Quinta de Pachecaは1738年設立の古いワイナリーで、1977年からドウロDOCのスティルワインにも取り組む。

・2021ドウロホワイトPacheca Douro

・2021ドウロロゼ Resarva

・NV ホワイトポート



ランチ

先ほどの3種のワインでスタート

スープ:Cardo Verde 伝統的なケールスープ

魚:バカララとほうれん草、ポテトとコーンブレッドとライムのソース

肉:仔牛のトルタード“Maronesa”とシャロットとポテト

この土地のAOC牛Maronesaのベーコン巻き

・2021Douro Rouge Pacheca

デザート:カスタード、クレームブリュレ 

ここのオリーブオイルもスープにもかかっていた。

・Pacheca Porto 20years Tawny


15:00 1時間遅れで乗船 ドウロ川の川下りスタート

ワイナリーのそばのレグラの街から。ここの廻りにはQuintaがたくさんある。サンデマンのマークが畑にそびえている。

ここにポートワイン協会もある。蒸気機関車の発着点にもなっていて観光の中心でもある。



船内でのどが渇いたので水と白ワイン(Douro White)とビールを飲む。

水と白ワインはただでもワインはすべてPacheca ビールは小瓶で一本1.5ユーロと安い。

船の上にとても気持ちが良いがすぐ雨になり船内に戻る。とにかく遠いし長い、のんびりメンバーはあれだけランチに時間をかけたのに元気に宴会状態。


途中でCarrapareloとCretuma damsを通る。

Lock(閘門)を通る。35mの高さで世界で最も高低差のある閘門とのこと。なかなか面白いイベントになった。



18:00ごろからディナー

また同じアペリティフ、大きなパンでスタート

・2021 Pacheca Grand Reserva White

13%.Alinto,Vioshinho,Robigdo,Codega のブレンド。社長の話によると昔から植えられているブドウのブレンドとしか言わない。

またいつもの野菜スープ:控えめにもらえば悪くない。

仔牛のローストの薄切り。ライスとポテトと温野菜(インゲンとキャロット)

・2021 Pacheca Reserve Red Old Vines Douro

トリューガナショナル33%,トウーリガフランク33%,ティンタロリス(テンプラニーニョ)23% ソウサオ 10% のブレンド、パープルガーネット 濃さ有り ストレート アルコール度数14%


Lever Lock(閘門)

ここでジャズバンドが乗り込む。少し雨がやんで、船のトップで閘門のイベントを楽しむ。

サキソフォーンのカルテットの生演奏があってとても楽しい。スタートの花火はすぐに終わってしまったが楽しいイベントになった。


船内に戻ってチョコレートケーキとコーヒー。

ここからが長い、雨もひどくなってきた。


船が遅れたので船着き場に着けない。ポルトの夜景を楽しみなさいとの意味かも。10時過ぎにやっと下船。雨が小雨になってホテルまで歩いて戻る。

学生(小学生もいる)バンドが演奏して迎えてくれる。夜遅いのに良いのだろうか。


ドウロとポルト について

 ドウリエンセと呼ばれるエリア

 産地はドウロ川上流100㎞のバルケイロスからスペインに近いバルカ・ダルヴァまでのドウロ川流域 250,000haに及ぶエリア、ブドウ畑は46,000ha 下流から上流へ3地域がある。

 バイシュコルゴ:ブドウ畑の占有率が高い。

 シマコルゴ:最も品質の高いエリア

 ドウロスぺリオール:交通の便が悪かったが今は開発が進んでいる。

 このエリアはワイン産地として世界遺産になっている。

 栽培地の半分が傾斜30%以上の段々畑、栽培は重労働となる。

 総生産量 1,260,000hl、ドウロDOP 498,000hl、DOPポルト 736,000hl

 毎年赤ワインが増えて酒精強化が減ってきている。


・DOドウロ

 2023年に結成されたドウロボーイズの5人組を始めとする若い生産者により酒精強化しない赤ワインの産地として今、世界の注目を集めている。

 最近は白もロゼも造られている地域はポートと同じだが品種はポートに比べ幅広い品種が使える。

 VRドラリエンセはDOドウロと同じエリアだがあまり見かけない。

・DOポート

 世界三大酒精強化ワインの一つ

 説明し出すとすごい量になるので簡単に。

 ポルトガル第二の都市であるポルトはドウロ川河口の世界遺産都市

 ポルトの対岸、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア、ローマ時代からの港、ポルトスカーレと呼ばれた。これがポルトガルの語源。ここがポルトの熟成基地となっていて、たくさんのポルトメーカーの倉庫が並んでいる。1926年以降、ここでの熟成が義務だったが、1986年から上流の生産地からも出荷できるようになった。

・ポルトの生産には80種以上のブドウが使えるがメインは

 トウリガ・ナショナル、ティンタバロッカ、トウリガ・フランカ、ティンタロリス(テンプラニーリョ)、ティンタ、カオン等がある。

他の赤ワインより~、発酵槽で2-3日発酵と醸しをする。短い時間でタンニンと色を抽出するため、ラガールの中で人の足でブドウを踏み潰す。今はほとんど機械で踏むが一部高級は足でする。人の足が良いという説も。

・発酵中の液にグレープスピリット77%を添加して発酵を止める。

・ルビータイプ:若い赤のポート、ろ過してある。

・ヴィンテージポート:特に優れたブドウから作られたものでろ過しない。

 デカンタージュが必要、誕生年、記念年のボトルをみつけやすい。

 長く持つもので古い年も見つかる。古いものはピンチアポルトを使って開ける。

・トウニータイプ:長い時間、樽熟させてトウニー色になったもの10年、20年、30年、40年がある。ろ過してから瓶詰するのでおりがない。

・ホワイトタイプ、ロゼタイプもある。

・オンザロックで飲んだり、世界的なフォーティファイドの消費減少に対応している。

昔はポートとシガーの提供がソムリエのラストの仕事だったのに(我々の世代は葉巻も扱えます)


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